フクちゃん笑っていこうヨ

アルツハイマー型認知症の母を介護して

「ねんどのハミガキ」で変わる!

入居前から歯槽膿漏で歯が抜けていたフクちゃんです。段々と口臭もひどくなってきました。

 

torakoが買い物中に出会った「ねんどのハミガキ(ボディクレイ)」は刺激も少なく、泡も出ないので、今までのハミガキとの違いに戸惑いもありましたが、磨き終わりに歯の裏がツルツルになることの驚きの方が勝っていました。

これは良い買い物をしたと喜んでいました。

 

週末いつものように、torako宅で昼食をしたフクちゃんの口臭が気になります。

試しに、「ねんどのハミガキ」で歯を磨いてもらうと。なんと言うことでしょう!

磨き終わった瞬間、口臭が全然しなくなっています。ビックリ!

 

フクちゃんの部屋に「ねんどのハミガキ」を置くことにしました。

 

いつものハミガキで磨いた日は口臭がします。

「ねんどのハミガキ」で磨いた日は臭いません。すぐにわかります。

 

その後も使い続けると、フクちゃんの歯ぐきが引き締まってきて、歯が抜けなくなりました。もちろん口臭もありません。

 

施設内でインフルエンザが流行った時、明治R-1ヨーグルトドリンクタイプも飲ませていましたが、「ねんどのハミガキ」で口内環境が整っていたフクちゃんは、罹患しない2人(17人中)に入りました。

素晴らしい!!

 

また、喉がいがらっぽい時は水で薄めた「ねんどのハミガキ」でうがいをすると、スッキリして、ウイルスも流れ出ていくような気がします。

 

偶然出会った「ねんどのハミガキ」で口内環境も変わり、ウイルスにも負けない強い体を手に入れました。

もう手放せません。

通な話し。

いきなりこんな話で恐縮です。

 

フクちゃんはお通じがとどこおる事はなく、とても健康体でした。飲んでいる薬はコレステロール認知症の二種類だけでした。

 

入居後は色々な薬が増えていきます。

その中には、お通じを良くする薬もありました。

 

「フクちゃんが便秘ですか?」と聞くと「出にくいときだけです」とのこと。

年を取るとそういうものかな、と思いました。

 

毎週末、torako宅で楽しく過ごすフクちゃんですが、ある時スタッフさんが私に聞いてきました。

 

「娘さん宅から戻ると、いつもすごい量の排便ですが、一体何を食べさせているのですか?」「お昼は冷やし中華、おやつはクッキーと紅茶ですよ」「エー!それは普通ですね」と驚かれました。

 

この質問で謎が解けました。

お通じを良くする薬が必要なのは、日ごろ歩かない、運動量が少ないからでしょう!

 

施設内では、フクちゃんの部屋からリビングまで10歩で行けてしまう。散歩に出かけるのは月に1回あるかどうか。館内を歩き回っているのは、認知症ではなく、自分で健康管理を出来る方です。体操の時間も毎週ありますが、主に上半身の体操が多く、車椅子のかたも一緒にできる下半身の体操が行われます。

 

torako宅では、全身体操、スクワットの他に、買い物や公園の散歩を約一時間は必ず行います。

 

体を動かせば、下半身の強化となり、車椅子のお世話にならないでしょう。更に快便になり、薬を飲まずにすみます。

 

良いことずくめですが、施設の生活では難しいようです。

 

それならば、せめて週一回だけでも、体を動かす機会を積極的に作っていこうと心に決めました。

 

認知症の進行。

自宅で暮らしていたときのフクちゃんは、torakoが訪問するとハイテンションで元気一杯な姿しか見せていませんでした。

 

施設に入居してみて、見知らぬ人々や環境にいきなり放り込まれて、戸惑いや反発、悲しみなどが入り乱れて、もしかすると認知症が進行してしまったのかもしれません。

それとも、私が見えていなかっただけなのかもしれません。

 

施設での生活リズムに少し慣れてきた頃から、いろいろな事が起きました。

 

フクちゃんの部屋には少しのお菓子と飲み物を置いて、自由に食べられるようにしていました。

ある日、施設から電話がありました。

「お母様が入れ歯洗浄剤を食べてしまいました!」訪問医の指示で水を多く飲ませれば大丈夫ということでした。

確かに形はラムネ菓子のようです。

 

後日、フクちゃんに聞いてみました。

「おいしかったの?」「いやー、あんなまずいもの!おいしくないよ!」とうんざりしています。スタッフさんと大笑いしました。

 

入居前から持たせていた携帯電話は、いつでも私達と話が出来るようにとそのまま個室に置いていました。

 

でも、夜になるとネガティブな妄想が頭を巡り、夜中に何回も電話を掛けてくるようになりました。私も弟君もこれには参りました。

タイミングを見て携帯電話は持ち帰りました。

 

施設ではなぜだか、パジャマを着てもすぐに着替えてしまいます。

夜間巡回でスタッフが部屋に入ってくるので、パジャマ姿ではいられないと思ったのか、それとも、いつでもここを出られるようになのか、謎のままです。

 

毎日欠かさず化粧をしていたフクちゃんですが、他の入居者さんが、化粧をしていないことに気がついて、しだいにフクちゃんも化粧をしなくなっていきました。

身なりを整えるって、本当は大切なことですが。

 

これらも、認知症の進行なのでしょうか。

新しい生活

新しい施設に入居して、無事1週間を過ごせました。

フクちゃんにとっては二度目の入居となります。

前回は1週間で退去したので、まずは一安心です。

 

週末はtorakoの家に連れて行き、孫達と遊んだり、昼食作りを一緒にしたり、体操や脳トレ、買い物、散歩などをして楽しく一日を過ごします。

夕食前に施設に帰ります。

 

「家に帰る?」と聞かれるので、「今日は忙しいので来週で良い?」と答えます。これを繰り返します。数ヶ月後、この部屋がフクちゃんの新しい住まいだと説明します。

 

施設では、工作、カラオケ、体操、外出など、イベントがたくさんあって、それなりに忙しい毎日です。

 

フクちゃんは今回も毎日荷作りをしています。でも、torakoは今回は荷ほどきをしないで、そのままにしています。

たぶん、スタッフさんには、帰りたいストレスをぶつけていたのかもしれません。

 

そんなある日、夕方に施設へ帰ろうとしたとき「帰りたくない!」とフクちゃんが言いました。次の日仕事が休みだったのでtorako宅に泊めることにしました。数年ぶりにtorako宅に泊まります。

スタッフさんに聞くと、夕方になると何故だか寂しくなる方がとても多いそうです。

 

夜中、家中のドアを開閉して確認作業をするフクちゃんです。torakoは眠れない一夜となりました。

 

朝になり、torakoが朝食を作っていると、フクちゃんの悲鳴が聞こえます。

ひとりで二階に上がり、階段を滑り落ちて動けなくなっていました。

幸い怪我はありませんでした。

 

自宅にいたときはしなかった、夜中の確認作業に衝撃をうけました。

torako宅の近くに住むことで、一緒に小旅行ができると思っていましたが、これで外泊は無理だと知りました。

 

老人ホーム入居の日。

入居の日の前日。父の命日でした。

torako家族と弟君家族とフクちゃん、みんなでお墓参りをしました。

父にはフクちゃんの老人ホーム入居の報告が出来ました。

きれいな花壇の前で集合写真を撮り、おしゃれなお店で美味しい食事をして、たのしくお喋りをして、素敵な時間を過ごしました。フクちゃんもご機嫌です。

 

torakoはフクちゃんの家に泊まりました。

夜にはスーツケースに1週間分の服と靴などを詰め込んで荷作りをします。

明日お出かけすることを、フクちゃんに話しました。

 

入居の日、一緒に電車に揺られて施設に到着。

スタッフがお出迎えしてくれます。

フクちゃんの部屋からは、お隣の素敵なお庭が見えて良い眺めです。

タンスに荷物をしまって、冷蔵庫には好みの飲み物とお菓子を入れました。

たくさんおしゃべりをして、夕方に私が帰る時に、1週間ここに泊まってね、と言うと心細いようですが、週末を待ってくれました。

 

フクちゃんは二度目のことなので、うすうす感じていたのかもしれません。

 

スタッフや他の入居者さんが、新参者のフクちゃんに優しく声を掛けて下さいます。

イベントにも参加して何とか1週間を過ごせました。

食事はどれも美味しいと気に入ったようです。

 

まずは、一安心です。

入居の手続き

有料老人ホームを色々と見学して、やっと一カ所に決めることが出来ました。

 

決め手は、入居者の方々の明るい笑顔と楽しそうで自由なご様子を見たことです。

 

この施設なら、フクちゃんの残り少ない人生を、楽しく安全で安心して暮らせると思い決めました。

 

入居の為には色々と手続きが必要になります。

 

まず、フクちゃんの健康診断書を主治医に書いてもらいます。健康状態、服薬、病歴等も伝えます。

 

入居一時金有り、と無しを選びます。

一時金有りは、月々の利用料金は低くなります。

一時金無しは、月々の利用料金は高くなります。すぐに退去する可能性のある方は有利かと思われます。

一時金は5年で減価償却されます。その後の徴収は有りません。

今回は一時金有りを選びました。

利用料金は介護度が進むと上がります。他にも色々なサービスを付けると上がっていきます。

他には、入居の部屋に入れる家具、カーテン、布団、冷蔵庫等も購入しました。TVは後日実家から、運び入れました。

 

契約書には、保証人(身元引受人)の連絡先を記入します。後見人の弟君が保証人になりました。他にも細かな決まり事が有ります。

 

フクちゃんは他県の施設入居となります。住民票を移すか迷いましたが、県によりサービスに違いがあるそうです。詳しくは調べていませんが、結局移さないことにしました。そのため、実家の地区の役所で介護福祉関係の書類はtorako宅に郵送されるように手続きしました。

 

これで準備は整いました。入居の日を決めました。

老人ホーム探し。

一週間で自宅に戻ったフクちゃんは、元気に元の生活に戻りました。

しかし、夏までに入居をしたいと考えているので、改めて老人ホームを探すことになりました。

今度は紹介所を通さずに自分たちで探すことにしました。

 

ネットなどで見つけた施設に見学の申し込みをして、弟君と二人で見学に行きます。

施設の営業さんが、施設での暮らし、費用、手続き等を、丁寧に説明してくださいます。館内を案内されて、食事の試食が出るときもあります。

どこも、それぞれ特徴が有って素敵です。

 

見学のたびに、何故だか涙が出てしまうtorakoですが、ある営業さんの言葉で覚悟が出来ました。

 

「親の介護は選択肢が色々とあり、どれが正解とかはなく、自分で介護しても、施設入居を選んでも、何を選んでも、必ず後悔しますよ。」

 

えっ!何を選んでも必ず後悔するものですか?

それならば、今の自分に出来る最善の方を選んで良いのかもしれない。間違っていたら気がついたときに改めれば良い。無理のない、そのときの自分が精一杯出来る介護を選んでいけば良い。それでもきっと{後悔}するものだから。

と腹を据える事が出来ました。

 

今でも、この言葉がお守りのように、私の心に有ります。

名前も忘れてしまった営業さんですが、本当に感謝しております。ありがとうございました。

そして、フクちゃんの新居となる老人ホームを見つける事が出来ました。