フクちゃん笑っていこうヨ

アルツハイマー型認知症の母を介護して

物とられ妄想

認知症の代名詞のように言われている、「物とられ妄想」ですが、そうとは言い切れないこともありますよ。

 

ある時、フクちゃんが、「私の自転車が盗まれた!」と言って怒っています。

いつもの店の駐輪場を探しても見つかりません。鍵は家にあるので、乗っていった先で乗らずに帰ってきたのではないかと、私達は考えています。

新しい自転車を購入しました。フクちゃんは新しい自転車が気に入ったようです。

 

永年通っているカラオケ店で「財布を盗まれた!」とフクちゃんが言います。

財布にはクレジットカードが入っているので、カード会社に電話して止めてもらいました。警察には遺失物届を出しました。

カラオケ店の店主に話しを聞くと、当日は永年の友人はいなかったようで、フクちゃんは財布を持ってお会計をして、トイレに入った後、出てきたときに財布を持っていなかったかもしれない。その次にトイレに入った人はすぐに店を出て行ったそうです。

その人が持って行ったの?

 

これを機会にカラオケ店に行くのをやめてもらいました。

 

「物を取られた!」と言っても落ち着いて話しを聞くと、間違いや、勘違いであることは本人も分かります。本当に取られていることも有ります。

フクちゃんはお金を取られた事より、torakoがプレゼントした財布がなくなったのが悲しい、ショックだったようです。後日、一緒に新しい財布を買いに行きました。

 

認知症の人と接すると泥棒扱いされるから、関わりたくない、という方がおられますが、ちゃんと落ち着いて話しをすればわかってくれる事も有ります。

 

どうか先入観を持たないくださいね。認知症になる前の人格はそのまま残っています。ただ一部が出来なくなるだけです。少しずつその範囲が広がっていきますが、周りの人達がサポートと理解をするだけで、不安を減らして生きていけます。

だからこそ、smileです!笑っていこうヨ!