フクちゃん笑っていこうヨ

アルツハイマー型認知症の母を介護して

老人ホームを体験する。

いくつかの有料老人ホームを見学して一つの所に決めましたが、満室の為に空きが出来たら入居する予約をしました。

 

すると、思いがけなく早くに連絡が来ました。希望の部屋ではありませんでしたが入居を決めました。

 

フクちゃんの服など、1週間分をスーツケースに入れて、一緒に電車に乗って施設に到着。フクちゃんに「ここで泊まってね」と言うととても不安そうです。

 

入居後、施設から電話が有り、毎日荷物をまとめています。と様子を教えて頂きました。

 

三日後に様子を見に行くと、「いつまでここにいるの?早く帰りたい!」と今まで見たことがない悲愴な面持ちのフクちゃんです。

ショートステイの穏やかな1週間とは比べものになりません。

「もう少し待っててね」と心を鬼にして言いました。

 

しかし、実際に施設の中に入ると施設の印象が随分と違って見えます。

 

職員間の人間関係が良くないみたいです。

入居者さんがリビングで座っているだけで、誰も話していません。

廊下に飾られた作品を見ていると、人懐っこいお婆さんが身振り手振りで、これは私の作品よ、と伝えてくれました。

もしかすると元々声の出ない方だったのかもしれませんが、ここにいたら、おしゃべり好きなフクちゃんが声を出せなくなる。声帯は使わないと衰えるのが早いと聞いています。と恐ろしいことを考えてしまいます。

 

弟君も心配していて、週末に様子を見に行くと連絡がありました。

私は思いきって、週末に来たときにフクちゃんを自宅に連れ帰ってほしいと頼みました。

施設には1週間の体験入居ということにして頂き、希望の部屋が空いたら連絡をしてください、とお願いしました。

 

そして、フクちゃんは自宅に戻り、今まで通りデイサービスに通う日々となりました。

 

紹介所の方からは、慣れるのに一ヶ月は掛かります。1週間は早過ぎますと言われました。

 

でも、尋常じゃないフクちゃんの心の叫びが、私に決断をさせたのです。